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セル・マイクロプロセッサー

ソニーが2005年発売を目指して開発中の「Play Station 3」の心臓部は、同社が2002年9月に取得した特許に記述されている「セル・マイクロプロセッサー」技術によって作られるらしい。話によるとこの技術によって製造される「セル・プロセッサー」は、Play Station 2のEmotion Engineを共同開発した東芝に加えて、Powerアーキテクチャーの開発元であるIBMとの3社共同らしい。3社でPowerアーキテクチャー・ベースのチップを開発となると、Power Mac開発時のPowerPCを思い起こさせる……。


現在開発中で2004年にシリコンウェハー化されると言われるPlay Station 3用?の「セル・プロセッサー」は、1チップに8個のPowerPC(アークテクチャー?)のプロセッサーを搭載し、各PowerPCプロセッサーに対してそれぞれが制御する8個ずつの補助プロセッサーが加わる。早い話が1チップに72個ものプロセッサーが載っている(どんなダイサイズで作るつもりなんだろう?)。

この「セル・マイクロプロセッサー」技術では、セル・プロセッサーは単体で機能するものではなく、いくつかのセル・プロセッサーが組になって目前のタスクを処理するらしい。 作業負荷を管理する高性能ソフトウェアを使うことで各PowerPCプロセッサーは、複雑な処理を小さなタスクに分割し、それぞれの処理に必要な数の補助プロセッサーを割り当てる。各プロセッサーまたはプロセッサーの組は、それぞれのタスクを終えると直ちに別のタを処理するために再配置される(ホントか?)。ソニー/東芝/IBMの3社は、セル・プロセッサーを最高の効率で協調させることができれば毎秒1兆回の演算処理が可能で、これはPentium 4(クロック周波数は?)100個の性能に匹敵するらしい。

ただこの複雑で即時的な協調動作は技術的に困難だという話もある。セル・プロセッサーを最初に搭載予定のPlay Station 3に関わるゲームの開発者の間では、セル・チップは一度にあまりにも多くのことを行うので対応するプログラムを書くのは恐ろしく困難になる……プログラマーは、何十ものプロセッサーで処理されるすべてのタスクを追跡しなければならないし、すべてのタスクを平行して行うときに1つのタスクの結果が別のタスクに影響も考慮するとなると、どのようにプログラミングするか想像もできないという声もあるらしい。

そんな声もあるのに3社は開発がうまくいけばセルの設計をモジュール化することによって、サーバーならばプロセッサーを増やせるようにし、携帯機器ならば減らせるようにし、IBMはサーバー用、ソニーはPlay Station 3と情報機器など、東芝はコンシューマー機器という製品展開を計画しているという話もある……PowerPCシリーズもそんなラインアップなのだが……。

しかし、こんな高性能チップ作ってもコスト的にコンシューマー用途で採算が取れるのだろうか? しかもPlay Station 2でさえソフトを開発するのが難しく、開発費がものすごくかかるというのに、セル・プロセッサーになったら……ゲームはDVDではなく、携帯のゲームのようにネットワーク経由で配信し、月額利用料方式にでもしないとペイしないのだろうなぁ。

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