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波紋を呼ぶIP携帯電話

JM-NET JMmobdem

昨日TBSの番組で初めて知ったのだが、株式会社ジャパン・メディア・ネットワーク(JM-NET)なるベンチャー企業が来月から固定料金によるIP携帯電話サービス実施するらしい。今日からマスコミなどに向けてデモを行うと同社のホームページには書かれていた。同社のサービスの鍵は携帯電話下部にあるコネクターに同社が開発した「JMmobdem」なるアダプターを差し込み、このアダプターが音声をパケット化してIP網を経由して相手先に送るという方法だ。IP網を経由して音声データを転送するので、固定料金で通話が実現できるというのが同社の基本的な見解だ。まさに夢のようなサービス。しかも料金は月4500円の定額(アダプターは16,000円)。

TBSの番組も突っ込んで放送していたが、果たしてそんなことができるのだろうか? IP網を通すといっても携帯から一番近い基地局までは各キャリア(携帯電話会社)の電波を利用するわけで、この電波の使用料は常識の範囲では従量課金の対象だ。そこから先はIP網を通っても相手の携帯電話と基地局の間は相手のキャリアの電波を使うことになる。

普通の携帯電話の場合、異なるキャリア間の通話に関しては、かけた方のキャリアがかかってきた方のキャリアに対して接続料(利用料)を払っている。携帯電話会社間ですらちゃんと接続料を払っているのに、なぜJM-NETのIP網の電話だと課金されないことになるのか?謎である。ちなみにDSLなどを使ったIP固定電話でも携帯電話への通話料金は無料や固定になるところはない。せいぜい一番安い料金プランの通話料相当の従量課金になる程度だ。

では携帯電話の固定料金は不可能なのか?と言えば、そんなことはない。実は数社が今年の春からサービスを実施する予定になっている。それならばJM-NETも可能では?と思うところが、実は大きな違いがある。他社が実現するIP携帯電話はデータ通信に料金定額が導入されたPHSの通信網かホットスポット地域のみ有効の無線LANをインフラに利用している。まりもともとのインフラがデータ通信用であり、なおかつそれが固定料金か無料の場合だ。

しかもこれはPHSの32〜128kbpsという高速通信があればこそだ。JMmobdemが対象にしている携帯電話の場合、一番遅いTu-Kaで9.6kbpsが一番早いauが144kbpsと大きな差がある(FOMAはJMmobdemの接続対象になっていないので)。当然一番遅いTu-Kaを基準に考えれば9.6kpsで音声をパケット化してIP網で伝達することになる。本当にできるのか疑問だ。そもそも携帯電話の音声だって今はアナログでなく、パケット化して時分割多元多重方式で転送している。JM-NETも基地局までは携帯の電波を使うわけだから、同じ帯域でキャリアより高効率で音声を伝達できるパケット化ができるとは思えない。

またTBSの番組では受信(着信)側がIPパケットで伝送されたデータをどうやって音声に復元するのか、つまりJMmobdemなしで音声を復調できるのか?という質問に、JM-NETは今の携帯電話にはその機能が備わっていると回答していた。これを時分割多元多重方式の復元と同じと考えているなら勘違いもいいとこだ。

いずれにせよ今日からデモが開始され、来月からはサービスが始まるらしい。どうなることやら。ちなみに同社のホームページでは昨日のTBSの報道に名誉毀損等で訴えると反論していた。

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コメント

  1. Kiyotaka より:

    その後、さらに調べたところ、携帯の下部に怪しげなアダプターを差し込むことで通話料が安くなるという製品を発見。
    http://www.j-3d.com/mobile_saver/
    説明を読む限り、このアダプターが格安国際電話回線?(もしかしたらアダプターが発信する先はIP電話網を使うのかも)を利用して、海外経由で国内外に電話をするというもの。
    料金を見る限りIP電話網を利用していそうだが、アダプター時代はただ指定の番号にかけるだけのもので音声のIPパケット化などはしていない。この方式は通話料が安くなるだけで固定料金になるわけではないので方式としては納得できる。

  2. nobi より:

    あやしすぎ!
    でも、気になるなぁ

  3. kato より:

    まずは関係ない話ですみません。
    WindowsマシンからこのWeblogに
    アクセスしているんですが、
    ハングルは表示されないんですね。
    ぜんぶ□に置き換わっています。
    もともと理解できていないから
    特に問題ないんですけれど、
    当たり前のようにハングルを表示する
    Mac OS Xのマルチリンガルぶりに
    ここ大阪で妙に感心してしまいました。

  4. Kiyotaka より:

    ちょっと忙しくてWeblogに書き込みができない。
    そんな不満なここ数日。
    ところでマルチリンガル対応の話ですが、このページも
    Windows(Me/2000/XP)ならハングル表示されます。
    確認済み。ハングル文字の変わりに□が表示されるのは
    フォントがインストールされていないからです。
    Windowsの地域設定で韓国語を設定してインストールする
    か、あるいは韓国語のページにアクセスすれば、フォント
    やIMEをダウンロードするか聞いてくると思います。
    ここのページにアクセスしても上記のダイアログが表示
    されないのはKSコードの設定に文字コードがなってない
    からでしょう。