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BeanとSparkMakerのどちらにするか?

XYZprintingのダヴィンチシリーズを使い始めて約2年半、FDM(熱溶解積層法)もノウハウや知識も少しはついてきたので、SLA(光造形方式)も始めようかと思う。過去にもXYZprintingのNovel 1.0が発売されたときと、春にKudo3DがKickstarterで$199の「Bean」を発売予定と聞いたときも購入を考えたが、結局購入を見送った。秋にKickStarterで$500以下の低価格SLA 3Dプリンターの「SparkMaker」と「Bean」の出資が終了した後、Indiegogoで「SparkMaker」も「Bean」も追加の募集が始まったのがそろそろ終了しそうなので、この際どちらかに出資して入手しようと考えた。

本体価格の価格も安いがレジンも安いSparkMaker

当初はSparkMakerの購入を考えていた。Kickstarter開始時の$129~という価格ではなくなったが、Indiegogoの$249でも十分安い。

本体サイズは直径170×高さ275mmで、重量は3kg。XY解像度は100μm、積層ピッチは20~100μmだ。造形サイズは102×56×125mm。造形速度は10~25cc/h。造形サイズの一辺が56mmと小さいのは、低価格SLA 3Dプリンターでは主流のスマホなど向けのLCDパネルを流用しているので仕方ない。

SpakrMaker最大の魅力は、純正レジンの種類と価格の安さ。低価格のSLA方式の3Dプリンターの出資者募集をクラウドファンディングで行う例は過去にも結構あったが、本体が$200前後で純正のレジンを5種類も揃えたのはSparkMakerが最初のはず。種類は造形物を直接水洗いできる「LCD-W」、ABS樹脂と同等の引張強度と弾性率を有する「LCD-T」、弾力性がありゴム製品シミュレートに適した「LCD-E」、耐久性と堅さを兼ね備えたナイロン風「LCD-N」、ジュエリーなどの鋳造に適した「LCD-C」の5つ。この価格帯で柔軟性のある素材や鋳造用のキャストレジンもラインアップするのは他にない。

SparkMaker側の説明では他社製の波長405~410nmの紫外線で硬化する樹脂(UVレジン)も使用可能らしいのだが、現状公開されているSpakeMaker用のスライサーソフトではレジンの種類を純正の5種類からしか選べず、何かパラメータを設定することはできないので、本当に他社製が使えるのかはやや疑問。純正レジンは着色剤を使うと好みの色で造形が可能で、黒/シアン/黄色/マゼンタ/白の5色がオールインワンパックには同梱される。

またレジンの価格も各500gが5種類で$199と圧倒的に安い!例えばXYZprintingのNovel用のレジンは500gが1本で1万円半ば前後、Forms LabのForm 2やKudo3DのTitanシリーズ用のレジンはもっと高い。レジンタンクも$29と他社製の機種の半額から3分の1程度と、本体購入後も消耗品のコストパフォーマンスの高さは魅力。今後、安定してレジンやレジンタンクが継続して供給されるのかは分からないが、とりあえずSparkMaker本体とレジン5種類が各500g、5色のカラーペーストがセットになったオールインワン・パックに予備のレジンタンクを買っておけば、当面消耗品の心配もなく楽しめる。

Titan譲りのPSP技術を搭載したBean

 

 

もう1つのBeanは5月にKickStarter登場に30人限定のSuper Early Bird出資者が$199、299人限定のEarly Bird出資者が$299、その後$399とレジン2本とコンテナ2つ、ポストキュアリングLEDランプが付属したデラックスパッケージが$499で出資を募集していた。Indiegogoで追加募集になった分はベーシックパッケージが$449、デラックスパッケージが$549と$50高くなっている。

Kudo3Dは2014年に同社独自の受動自己剥離(PSP:Passive Self-Peeling)技術を搭載したSLAプリンター「Titan I」で成功を収めた会社で、その後Titan 2も発売され、今回エントリーモデルのBeanがクラウドファンディングで出資者を募集している。TitanシリーズはDLPを使っているのに対して、Beanは2K LCDパネルを使って低価格を実現しているのは最近のこのクラスのSLAプリンターのトレンド。

本体サイズは20x20x40cmで重量は6.67Kg。最大造形サイズは12.1×6.8×15cmとSparkMakerより本体サイズも最大造形サイズもちょっとだけ大きい。XY解像度は50μm、積層ピッチは10μmとSparkMakerより高解像度。出力速度は10~20μm/h。

本体付属のスターターキットの内容はこんな感じ。

デラックスパッケージは出力後にIPAで洗浄した出力物を硬化させる$85のポストキュアリングLEDランプも付属する。これに加えて、BeanをWi-Fi対応にするリピーターも同梱。

ちなみにこれと似たようなものに、UV硬化のジェルネイル用のUVドライヤーがある。価格は1000円台からあり、ほとんどがLED波長395ー400nm・UVランプ波長365nmで、形状も似たような感じなので、ポストキュアリング目当てなら、わざわざこれを買わなくてもUVジェルネイルドライヤー代用できる。

Beanのレジンは現在グリーン/イエロー/ホワイト/グレーの4種類のレジンがラインアップされ、標準パッケージはグレーのレジン250g、デラックスパッケージにはグレーとグリーンのレジンが各250g、別売で4種類のレジン各250gがセットになったものが$80で提供される。レジンの価格はSparkMakerと同等で、製品完成後は別売で1kgのレジンとして単品発売予定。Titanシリーズでは色で高精細とか柔軟性のあるものとか種類が分かれるのだが、Beanのレジンは4色がそれぞれ特性が違うらしいのだがそれがどう違うのか詳細は不明。

またBeanは上位機種のTitanシリーズと同様にレジンタンク(Kudo3Dではレジントレイと呼ぶ)の底にテフロンシートを装着する方式で、他機種ではしばらく使うと底が白くなって使い捨てになるレジンタンクの消耗品コストを下げてい。別売のBeanのPSPレジン・トレイは$45(Titan用は1つ$59)、テフロンシートは5枚で$25(Titan用は$50)とTitanシリーズに比べて安い。テフロンシートは1枚で50回くらいの出力に耐えるらしい。ビルドプラットフォームも$45で予備が買えるが、こちらはKudo3Dによれば滅多に交換の必要はないとの事。

結局どっちがいいのか?

とにかく安く始めたいと言うのであれば、SparkMakerがお薦め!本体とレジン100gのセットが送料含めて$300以下で入手できるし、予備のレジンやレジンタンクも安く、レジンの種類も5種類あるので$500あれば一通りの事ができる。

1つ気になるのは純正のスライサーの操作性の悪さ。SparkMakerのHPでソフトは出来るので機能を一通り試してみたが、UIが洗練されておらず分かりづらい。また自動で3Dモデルをリサイズしたり底面に吸着させる機能がなく、リサイズもUIの操作性が悪いので慣れが必要。サポート材はオート以外に手動で追加・削除でき、そちらの操作性はそこそこ。もっともスライスソフトに関しては、今後のバージョンアップで変わる可能性もあるので、今が今一つでも今後良くなる可能性はある。

Beanの方はすでにTitanシリーズの実績のあるメーカー製なので、性能に関してはそれなりのものがあると思う。ただベーシックパッケージが$449、デラックスパッケージが$549という価格はSparkMakerの約2倍で、この金額を出すとSparkMakerならオールインワン・パックが買えてしまう。

ただしKudo3Dはすでに日本語サポートもTaitanシリーズで対応しているし、消耗品の供給も不安はない。スライスソフトがTitanシリーズと同じかそれに近いものなら、こちらに関してはSparkMakerより確実に上。使用頻度や目的にもよるが少しでも高精細なものや、他社のレジンも試したい場合はBeanの方がいいと思う。

結局、自分はKudo3Dからの買ってねメッセージが来たのもあって、Beanを選択した……かなり迷ったけど。

 

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