2Sep

XYZprintingがフルカラー3Dプリンター「da Vinci Color」を発表した。2016年12月にダヴィンチ Jr.をベースに1つのノズルで2色出力または2色のグラデーション出力を可能にしたデュアルフィードシステム搭載「ダヴィンチ Jr. 2.0 Mix」を発表したが、今年はついにフルカラー3Dプリンターへと進化した。
インクジェットプリントで出力をフルカラー着色
フルカラー出力はCYMKのインクジェット機構を使って、FDM方式でフィラメントを溶解して出力しながら、同時に着色していく方式。XYZprintingの公式動画を見ると、ついにまともなギアでプラットフォームの水平を調整するオートキャリブレーションも搭載している。
インクジェット部分は紙のインクジェットプリンターと同様な機構で独立した4色カートリッジを搭載し、筐体左奥側に廃インク部分らしきものもある。
実際に出力している様子はこんな感じ。
ランニングコストはかなり高め
筐体デザインはダヴィンチ 1.0 Proを踏襲しているが、写真をよく見るとフィラメントのフィーダーユニットが筐体右側面に付いていて、フィラメントのフィード機構はダヴィンチシリーズのダイレクト方式ではなく、ダヴィンチ Jr.が採用しているボーデン方式になっている。これはフルカラー着色のためのインクジェットプリント機構をヘッドに載せるため、ヘッド周りの重量の軽減のためにボーデン機構になったからだろう。
フィラメントは新たにCPLA(Color PLA)が追加され、フルカラー出力時はこの専用フィラメントのみが対応となる。このCPLAフィラメントが35ドル、4色のインクカートリッジが4色セットでなく1色65ドル(4色分で260ドル)と結構なランニングコストなのもあり、このインクカートリッジでどれだけの出力ができるのか気になるところ。
da Vinci Colorはヒートベッド非装備で、対応フィラメントはCPLA/PLA/Tough PLA/PETGと発表されているので、新たにタフPLAとPETGもXYZprintingから発売されるのかもしれない。いずれにしても専用フィラメントとインクカートリッジを使用するので、ランニングコストはかなり高め。
発表されている製品仕様
Technology | Color texture Inkjet printing3D structure Fused filament fabrication (FFF) |
Build volume | 200 x 200 x 150 mm |
Layer resolution | 100-400 microns (0.1-0.4 mm) |
Filament material | 3D Color-inkjet PLA / PLA / Tough PLA / PETG |
Ink type | Separate ink cartridge (C M Y K) |
Nozzle diameter | 0.4 mm |
Print bed | EZ-removable print bed (non-heated) |
Print bed leveling | Auto-leveling |
Stepper motors | 1.8° step angle with 1/16 micro-stepping |
XYZ positioning precision | X/Y 12.5 micron Z 4 micron |
Build speed | Average: 30-60 mm/sec Max: 120 mm /sec |
Print head travel speed | 30 – 300 mm/s |
Control interface | 5-inch color touch LCD |
Filament feeding | Auto loading |
Shipping box | W671xD688xH686mm |
Product dimension | W600xD581xH640mm |
Net weight | 32 kg |
Shipping weight | 43 kg |
Host software | XYZmaker |
File types | AMF, PLY, OBJ, STL , 3CP |
Operating systems | Windows 7,8,10 (64 bits) Mac OS X 10.10,10.11,10.12 Linux 14.04 |
Power requirements | 100-240 V, 50-60 HZ |
Connectivity | WiFi, USB 2.0 port |
Operating temperature | 15-32°C |
Storage temperature | Ink cartridge 15-35°C Filament material 0-38°C |
仕様を見る限り、基本的な性能はダヴィンチシリーズ、ダヴィンチ Jr.シリーズ同じ。そうなると気になるのが、ダヴィンチの出力品質、つまり積層痕でフルカラープリントできても、どれほどのモノになるのやら。サンプルは着色済みで積層痕はそれほど感じないが、メーカーのサンプルは最高の状態・環境で出力したものなので、実物を見るまでは……。それと、CPLAがマットなのもあって、出力したフルカラーが艶やかさがなく、何となく昔の印刷みたいな感じなのも気になる。
米国やヨーロッパでは予約価格$2999で11月発売予定。発売価格は$3500で、日本での発売アナウンスは今のところない。ただXYZprintingの米国価格に対する国内価格の設定だと、過去の例で考えると日本発売時には50万円を超えてしまうので、この価格だと売れるのかな?って思ってしまう。フィラメントやインクカートリッジのコストも米国価格でセットで$295なので、日本では5万円近くなりそうで、これだと安い3Dプリンターが買えてしまうので価格設定がどうなるか次第……日本で発売されてない機種もあるので、価格設定が高くなり過ぎるようだと日本では発売されないかも。
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