12Mar
ここ最近、NHKのプロジェクトXを見ている……といっても過去の放送分。毎週の放送は全然見ていなくて、人から借りて過去の分を見ている。VHS+DVDレコーダーのとこでもちょこっと書いたが、どうもこの番組は取り上げているプロジェクトに主眼が置かれすぎて、その周辺の事情が無視されることが多い。VHSの回でいえば、テーマはVHSが世界フォーマットになるということだが、ソニーのUマチックの特許問題には触れられず、ビクターひとりがVHSの基礎技術を開発したかのように描かれている。また親会社の松下がVHSを選択した理由もちょっと物足りない。この辺は番組にゲスト出演していたノンフィクション作家の佐藤さんの著書に詳しく書かれている。
カーナビゲーションの回では、現在のカーナビの主力メーカーの1つであるパイオニアが取り上げられている。紆余曲折を経て、北海道地図の協力により1990年6月にパイオニアが世界初のGPSによるカーナビゲーションを実用化して発売したかのようになっているが、実は1990年3月にマツダのユーノスコスモに搭載されたのが世界初のカーナビだったりする。しかも開発したのは三菱電機で地図を作ったのはゼンリンだ。単体の製品として開発したのはパイオニアが最初なのだが、それなら冒頭でホンダやトヨタの第一世代カーナビを引き合いに出すのはちょっとなぁ……ストーリー的にはわかるのだが。世界最初のカーナビ開発メーカー三菱の開発秘話はある本で紹介されている。
他の回でも同様のことはチラホラある……問題はNHKがちょっと偏った構成にしている点。CMを放映せず受信料を取るのなら、特定のメーカーや製品、技術などをテーマにする以上、周辺事情やどこの部分が最初に開発した技術なのかちゃんとしてほしいよな。