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ドコモがiPhoneを扱うと……

あちこちで「ドコモがiPhone販売」のニュース速報みたいのを見かける。iPhone 3G登場以来、新型端末が登場する度に「ドコモも……」っていうニュースは毎回登場するが、今回は今までに報道してこなかったメディアも報じてるので実現度は高いかもしれない。

ドコモとしては加入者減少に歯止めをかけるギリギリの経営判断なのかもしれないが、今回もしドコモがiPhoneを販売するにあたって、ソフトバンクやauのような厳しい販売台数ノルマを課せられるとしたら、日本の3キャリアには未来がない気がする。

例えば、アップルがドコモの年間販売台数の3~4割以上をiPhoneにするように契約時のノルマを課してたとしたら、前回の2トップ戦略どころか、この秋以降はiPhoneの1トップ戦略で行くしかない。最後発なドコモがiPhoneの加入者を増やすには、ソフトバンクやau以上のお得感を出さなければならないはず。

ドコモがiPhoneを扱う事で、ドコモ契約者でiPhoneを使いたい人のMNP転出はある程度防げるが、でもその数はおそらくドコモの期待してる数字よりずっと少ないはず。なぜならiPhoneを使いたいドコモ契約者の一部は、2台持ちなりMNPですでにある程度はiPhoneを使ってるはずだから。ドコモがiPhoneの契約数を増やすには、他キャリアからのMNP転入を増やす事ではなく、ドコモでガラゲーやAndroidを契約しているユーザーのiPhoneへの買い替えを推進するしかない。これを実現するには、ドコモ加入者向けの大キャンペーンを展開すればいいのだが、短期的にはこれでiPhoneユーザーは増やせても、中長期的にはドコモの経営を圧迫すると思う。

ソフトバンクやauを見ても分かるように、iPhone偏重の戦略はiPhoneに採用されない技術やサービスの開発・普及を著しく滞らせる。この結果、日本メーカーは携帯端末の開発・販売からさらに撤退が出るだろうし、小型化、防水、ワンセグ、Felica、その他これまでに日本が開発してきた技術に続くものが出にくくなる。サービス面でもアップルの意にそぐわないアプリやサービスは当然登場しない。

そうなると、携帯キャリアが3社ある意味はかなり薄れてくる……同じ製品を同じようなサービスで販売してれば、顧客を獲得するには転入者や新規加入者優遇の極端な料金プランしかなくなり、2年ごとにキャリアを変える人が増えてくる。結果的にこれがキャリアの経営を圧迫するし、日本の携帯キャリアは負のスパイラルに陥ってしまう。

Androidがあるじゃんとか、TizenやFirefox OSがあるじゃんっていう声もあるだろうけど、3キャリアともiPhoneを扱うって事は=3キャリア同じ製品・サービスを提供する訳だから、今まで以上にiPhoneの販売台数の維持・そしてさらなる増加のためにはAndroidにコストをかけて製品やサービスを展開する余裕はなくなるし、まして新しいOSにまでやる余力はなくなる。

TizenやFirefox OSなんて話はドコモがiPhoneをやらない上で成り立ってた話。今年ソフトバンクが米国キャリアのスプリントを買収したが、近い将来日本のキャリアが外資に再び買収されるかもしれないな。

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