25Oct
3DプリンターやCG等での作業が増えてきて、EliteBook 810 Revolve G2ではCPU&GPUパワー的に厳しいのでノートPCを1台追加購入した。当初は以前Dellアンバサダーで貸与して使ってみたXPS 15かHPのゲーミングPCのOMEN 15 (OMEN by HP 15)、あるいはちょっと前に発売になったPavilion Power 15あたりの購入を考えていた。いずれもCPUにCore i7-7700HQ、GPUにNVIDIA GeForce GTX 1050、ディスプレイはIPS方式のフルHDあるいは4K、HPの場合はSSD+HDDの構成が選べる。ただCPUがCore i7-7700HQだとディスプレイが4Kになり、フルHDだとCPUがCore i5などグレードが下がる場合が多い。しかもグレアのパネルしか選択できないモデルが多い。そこで他の候補を検討してみると、HPのZBookシリーズも気になった。ZBookシリーズは高速なCPUに大容量メモリ、GPUもCADやCG向けのnVIDIA QuadroやAMD FirePro(現Radeon Pro)シリーズを搭載するモバイルワークステーションで、GPUのFireProはSolidWorksなどのCADソフトやMayaなどの3D CGソフトではRadeonやGeForceより表示結果に対する信頼性が高いプロ向け製品。
ZBookシリーズには、14インチ、15インチ、17インチのラインアップがあるが、15インチ以上は外に持っていくにはちょっと大きく重いので14インチのHP ZBook 14u G4 Mobile Workstationあたりが候補になる。ちょうど今だとキャンペーンでCPUがCore i5-7200、GPUがAMD FirePro W4190M、ノングレアの14インチフルHD IPSディスプレイに500GB HDDの構成が9万9800円(税別)で購入できる。ただCore i5-7200はメモリがDDR4なので、手持ちのDDR3Lの8GB DIMMは使えず、メインドライブにSSDを増設するとそこそこの価格になる。
もう少し出せば、いずれ発売になるWACOM製のタブレット機能搭載の2in1ワークステーション「ZBook x2」が買えるので、当面のつなぎとしてZBook 14u G4の前の世代のZBook 14シリーズを検討してみた。こちらなら中古やヤフオク等でそこそこの値段で買えるのだが、世代の新しいZBook 14 G3だと元々の価格が高いのもあってキャンペーン価格のZBook 14u G4と大差なくなってしまうか、逆に高くなってしまう。候補になるのは第4世代(Haswell)のCore i7-4xxxxを搭載するZBook 14かその後継モデルで第5世代(Broadwell)のCore i7-5xxxを搭載するZBook 14 G2あたり。
初代ZBook 14を中古で購入
たまたまヤフオクで3万円台で初代ZBook 14の出品があり、運よく落札できた。CPUはCore i7-4600Uなので3Dスキャナーに必須のIntel Real Senseも使えるし、GPUはOpen GLに最適化されたAMD FirePro M4100なので、ちょっと前のGPUだけどCADや3D CGでは今でもそこそこ使える。購入したものは標準の8GB RAMで、今どきのWindowsノートでは標準容量だが3Dや動画編集ではちょっと心もとない。ストレージはオリジナル構成は500GB HDDなのだが、落札したものはSamsung 850 EVOの128GB SSDに換装されていた。ただ128GBでは容量が少ないのでここは増設か換装するしかない。
筐体デザインは兄弟機のEliteBook 840 G1がベースになっており、本体サイズは幅339×奥行き237×厚さ21mmで重量が約1.7kg。現行のMacBook Proよりちょっと小さく軽い。米国防省物資調達規格のMIL-STD-810Gに準拠の堅牢なボディの素材には、マグネシウム合金やアルミニウムが使われている。
天板は4層樹脂に塗装を施したEliteBook 840 G1と異なり、アルミニウム合金製で周囲を滑り止めと衝撃に配慮したラバーコーティングがされている。液晶が背面に回り込んで開くタイプなので、背面にポート類は無く、エッジに「HEWLETT-PACKARD」の刻印がある。
14インチサイズのワークステーションだけにポート類は充実
左側面には奥側(写真左側)から盗難防止ロックポート、ミニD-Sub15ピン、USB 3.0×2(奥側は電源常時供給)、Smart Cardリーダが並ぶ。
右側面には奥側(写真右側)からACアダプター端子、ドッキングコネクタ、Gigabit Ethernet、USB 3.0×2、DisplayPort、音声入出力が並ぶ。USB 3.0ポート2基の下にはSDカードやMicroSDカードスロットも備える。
前面はエッジの左側にステータスLED(左からWi-Fi/Bluetooth・電源・AC アダプター/バッテリ・HDD/SSDアクセス)が並ぶ。タッチパッド部分がパームトップ面より少し低くなっているので、ディスプレイーを開くときにその隙間で指を掛けやすくなっている。
ネジを使わずワンタッチで内部にアクセスできる
底面はHPの法人モデルでおなじみのアンダーパネルをロックを解除して簡単に外せる構造で、メモリ増設やSSD/HDDの交換、miniPCIカードの取り付けがしやすい。EliteBook 810 Revolve G2は法人モデルながらバッテリー以外はネジを多数外さないと内部にアクセスできなかったが、ZBook 14はHP法人モデル伝統のスマートな構造。
14インチサイズなのでキーボードは余裕のキー配置&キーピッチ
キーボードはアイソレーションタイプでキーピッチ19mm、キーストローク1.5mmとやや浅めだが入力時にキーボードがたわむことも無く、打鍵感はそこそこ。EliteBookなどで伝統のポイントスティックも「G」「H」「B」キーの間に備える。タッチパッド上下には左右クリックボタンがあり、キーボード入力時でもマウスクリックがしやすい。タッチパッドはHP製品ではおなじみの左上をダブルタップするとオフになる。唯一残念なのはキーボードバックライトが非搭載なこと。後継モデルのはZBook 14 G2ではバックライトキーボードになっているが、たぶん換装しても機能しないだろう。
兄弟機種のEliteBook 840 G1とは液晶パネルも差別化
液晶パネルはEliteBook 840 G1が解像度1600×900ドットの視野角の狭いTN方式を採用するのに対して、ZBook 14は1920×1080ドットのフルHDの解像度でIPS方式のパネルを採用し、視野角、明るさ、コントラストともEliteBook 840 G1を上回る。ZBook 14は本体価格がEliteBook 840 G1の2倍近い価格なので、高速なCPUやOPEN GLでの3D処理に特化したGPUを搭載したり、高解像で発色の良い液晶パネル、天板等に高剛性素材を使うなどの差別化が図られいる。
14インチのUltraBookにワークステーション性能を詰め込むというコンセプトは、本体サイズがそこそこ小さく軽い割に拡張性も高く、Core i7やAMD FirePro搭載もあって現在でもそこそこ使える。
ZBookシリーズは標準で3年保証だが、今回落札したものは今年の4月に保証が切れていた。HPの法人モデルは保証期間内なら延長保証が追加できるので3年の保証期限切れはちょっと残念……もっとも価格が高く、製品の位置づけ的に法人用途が中心のZBookだと、保証期間内の中古やリースアップ品が出る可能性は低く、個人ユーザー所有の中古品でないと店頭やオークションではなかなか見かけないと思うので、そこは仕方のないところ。