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Windows Phone 8のアップデート可否の混乱

あと2カ月くらいでWindows Phone 7.6(コードネーム:Tango)がリリースされるというこの時期、あちこちで急にいろいろ書かれてるのが次のメジャーバージョンアップとなるWindows Phone 8(コードネーム:Apollo)の話。

事の発端は、ポルトガルのWindows PhoneデベロッパーエヴァンジェリストのNuno Silvaが動画で「すべてのWindows Phone端末に次のメジャーバージョンへのアップデートが提供される」と発言した件。その一方でMango搭載端末からApolloへのアップグレードパスはないという情報もあるらしい。

Windows Phone 8のリリースは、2012年の第4四半期頃と言われてるので、年内か遅くとも日本でいう2012年度中にはリリースされる可能性がある。うちのLG Quantum C900を含めたWindows Phone 7を搭載して出荷された第一世代の端末は、この時期には発売から2年経過してる事になる(Mango搭載の第二世代端末は1年ちょっと経過)。

気になるのはマイクロソフトやキャリア各社がこの第一世代の2年経過をどう考えてるのかだ。確かに日本を含めて世界でも端末の契約は2年契約が増えてるので買い替え時期といえなくもない。携帯電話会社としては、新しい端末を購入してもらいまた2年契約をしてほしいのは本音だと思う。

Windows Phone 7を発売当初に買ったユーザーは、かなりのアーリーアダプターで、彼らは仮に第一世代や第2世代の端末がApolloバージョンアップ可能になってもきっと新型のApollo端末を買っちゃうと思う(笑)。

でも大半のユーザーは、いろんな状況を見て2011年になってから第一世代端末を買った人だと思う……自分もその一人。そういう人は購入してからまだ2年経過してないし、Androidと同じようにように2年足らずでサポートが打ち切られてバージョンアップもされないWindows Phone端末に魅力を感じるだろうか? ガッカリして、新型に買い替えてまで使い続けるほど減ると思う。

しかもAndroidですら、現在は端末発売後18カ月はメジャーバージョンアップを保証するガイドラインが発表されている(守られてるかどうかは知らないが……)。

iPhoneの場合はアップルのみしか製造販売しておらずモデル数が少ないという事もあるが、2009年発売のiPhone 3GSでも最新のiOS 5.1へのバージョンアップは可能。もちろんiPhone 3GSはCPUやGPUのスペックが低いし搭載してる機能も違うので、iPhone 4やiPhone 4Sと同じようになるだけではない。でもiPhone 3GSユーザーにも端末がスペック的に対応できる限り最新のiOSを提供する事は、iPhoneやiOSへの愛着を増すことにつながるし、周囲にiPhoneを薦める原動力につながってる。そして自主的に最新のiPhoneを購入へとつながるんだと思う。

マイクロソフトがWindows PhoneでスマートフォンOSでシェア向上を狙うなら、こうしたWindows Phoneへの愛着を増し。周囲にWindows Phoneを薦めるユーザーを増やすきっかけ作りは必要。

Android同様にいくつものメーカーから端末が発売されてるWindows Phoneだが、ハードウェアのスペックはシャシー戦略(仕様)もあって基本的に各社ほぼ横並び。そしてスペック的にはすべての機能が使えないかもしれないが、Windows Phone 8(Apollo)には十分対応できるはず。Tangoで登場する低スペック端末ではMangoやTangoのすべての機能が使えるわけじゃない前例もあるので、既存端末が制限付きだとしてもApolloにバージョンアップするのに問題はないはず。

現状のWindows Phone 8のシェアでは、仮に既存端末ユーザーがWindows Phone 8へのバージョンアップを理由にすぐに新型端末に買い替えなくても売り上げに大差はないと思う。むしろ、2年足らずで最新のOSにバージョンアップできず、最新の端末への買い替えが必要になるなら2年の契約期間後にiPhoneやAndroidへ買い替えてしまう可能性の方が高くないだろうか?

Windows Phoneにとって今必要なのは、目先の利益や売り上げではなく、Windows Phoneのトータルユーザー数を増やすし、OSの良さを理解して周囲にを薦めるユーザーを増やすこと。Androidと同じパターンをやったのでは、すでに端末数でもアプリ数でも巨大市場になってるAndroidに敵うわけがない。iPhoneの戦略の良さを踏襲しつつ、単独メーカーのみの商品展開にできないハード戦略を生かすことが一番大事。

こんな事をやってるようでは、Windows Phoneはこのままシェアも上がらず自滅へ進んでしまう気がする。

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