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続・ダヴィンチのフィラメント・リセッター

DimensionBXダヴィンチ用フィラメント・リセッターを購入した話を前回ちょっと書いたので、今回は詳細を紹介。このフィラメント・リセッター、直販だと$21.75、eBayだと$24.95で販売されている。同社のオンラインサイトから購入の場合、発送は米国内に限られるので、日本から購入する場合はeBayで購入すれば、eBayのGlobal Shipping Programを使って送料$14.19で発送してくれるのは前回も書いたとおり。空のカートリッジに内蔵してAndroidアプリからBluetooth経由でフィラメント長のリセットや設定を変えられるバージョンもeBayで$24.95+eBayのGlobal Shippinig Programの送料$14.19で購入できる。

ちなみにどちらも購入できるのは基板本体のみで、ケース等はTHINGIVERSEで公開されているSTLデータをダウンロードして自分でダヴィンチ等の3Dプリンターで出力して利用する。基板のみだからなのか、他のリセッターより安価で購入できる。

リセッター本体はArduino UNO互換基板を使っていて

反対側にピンソケットに接続したダヴィンチの純正フィラメントカートリッジのICチップに接続するスプリングピンが3本取り付けられた基板が、Arduino UNOのピンソケットと接続されている。

この基板をTHINGIVERSEで公開されているSTLデータを出力し

ケースに収めて利用する。

ケース収めた状態。背面にmini USB端子があり、ICカートリッジと接続するスプリングピンはこんな感じで取り付けられている。
※ケースが反っているのと積層痕が酷いのはご愛敬。

これに上面カバーを取り付けると、スプリングピンはこれくらい飛び出た状態になる。

カートリッジ書き換え時は、こんな感じでリセッターの上に純正フィラメントカートリッジをセットし、PCの書き換えソフトを起動してデータを書き換える。リセッターのPCソフトとUSBのドライバーはここからダウンロードできる。

ソフトはこんな感じのUIで、Windows 7~10で動作する。ソフトを起動すると、まずリセッターがPCに接続しているかをチェックする。リセッターが見つからない場合は「Check for Device」ボタンをクリックすると、再度接続を確認する。それでも接続できない場合、リセッターと接続するUSBドライバーを再インストールしてみる。

リセッターと接続すると、次に純正カートリッジ(のICチップ)が接続されているかをチェックする。チェックは10回行われ、10回目までに見つからない場合は一旦終了するので、再度カートリッジの接続をチェックする場合は「Check Cartridge」ボタンを押す。

カートリッジの接続が確認されると下部に「Cartridge Detected — Ready for Updating」と表示され、書き換えの準備が整う。書き換え可能な項目は「Setteings」にある「素材(Material)」「フィラメントの長さ(Filament Lenght)」「エクストルーダーの温度(Extruder Temp)」「ヒートベッドの温度(Bed Temp)」の4項目。フィラメントのカラー情報は任意に書き換えられない。また現在のICカートリッジに記録されている情報を表示する機能もない。

素材(Material)は「ABS」「PLA」の2種類をプルダウンメニューから選択する。

フィラメントの長さ(Filament Lenght)は「120m」「240m」の2種類をプルダウンメニューから選択する。ダヴィンチのICカートリッジには未使用時のフィラメントの長さとフィラメントの残量の2種類の情報が記録されているが、変更できるのは未使用時のフィラメントの長さのみ。残量を任意の値に変更する事はできず、書き換え時に残量はフルに自動的に未使用時の長さにリセットされる。

「エクストルーダーの温度(Extruder Temp)」は120℃~230℃まで5℃刻みでプルダウンメニューから選択できる。「Manual」を選べば、Extruder Tempの左側のダイアログに入力した任意の値を設定できる。

ヒートベッドの温度(Bed Temp)も同様に0℃と25℃~110℃までが5℃刻みでプルダウンメニューで設定できる。またマニュアルで任意の値に設定する事もできる。0℃にすれば加熱しないのかどうかは未確認。

設定が完了したら、画面下部の「Update Cartridge」ボタンをクリックすると、「Updating … Please Wait」となりICカートリッジの書き換えが始まる。画面にも表示されているように、この間はリセッターから純正フィラメントカートリッジを外してはいけない。外した場合、最悪ICチップのデータが壊れて使えなくなる可能性がある。

無事に書き換えが完了すると、画面下部に「– Cartridge Updated — SAFE TO REMOVE」と表示されるので、リセッターからカートリッジを取り外して、ダヴィンチに装着する。このときに注意するのは、続けて他のカートリッジを装着して、書き換えしないこと。画面では4つの項目しか設定できないが書き込む場合はカートリッジの色情報も一緒に書き込んでいるため、続けて書き換え作業をすると直前に書き換えたカートリッジの色情報が次のカートリッジにも上書きされてしまう。複数のカートリッジを書き換える場合は、面倒でも一旦ソフトを終了し、再度書き換える。

書き換わってるか確認する場合はダヴィンチの「ジョウホウ」→「カートリッジ」でそれぞれのエクストルーダーを選べば、長さや素材の情報が表示される。

DimensionBDのリセッターの製品情報ページによると、書き換えたカートリッジを利用できるのは以下の機種とファームウェアのバージョンのみ。

Model Firmware
da Vinci 1.0 1.1.G, 1.1.I, 1.1.J
da Vinci 1.0A 1.0.1, 1.0.3, 1.0.5, 1.0.6*
da Vinci Duo 2.0 2.0.J
da Vinci AiO 1.1.1, 1.1.3, 1.1.4*

*印の付いている、da vinci 1.0Aのファームウェア1.0.6、da vinci AIOのファームウェア1.1.4の場合は、フィラメントの素材と長さのみリセットでき、エクストルーダーとヒートベッドの温度設定は無視されると書かれている。

またXYZwareのバージョンも1.1.34.7かそれ以前となっており、2.0以降のXYZwareは非対応となっている。うちのダヴィンチ 2.0A DUOはもともとファーウェアのバージョンは1.1Bで、表にある2.0J以前のものだったのでファームウェア2.0Jにアップデートしようとして一度失敗し、紆余曲折を経て現在は最新2.1.1になってる。2.1.1でも、とりあえずフィラメント長と素材はリセットして使用できている。温度に関してはまだ未検証。

ファームウェアを最新にすると、書き換えたカートリッジはエラーになって使えないという情報もネットに書かれているが、うちではとりあえず書き換えてリセットしたカートリッジも認識して使えている……ただし今度どうなるかは不明。

 

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