27Jun

24日に「SPACE BATTLESHIP ヤマト」のDVDとBlu-rayが発売になったので、DVDを入手してみた。劇場公開時も気にはなったけど、実写だしな~と思って結局は見なかった。
友人はこれはこれで面白いと言ってたが……さてどうなのか!?
結論……
■宇宙戦艦ヤマトとして見るなら……0点
これ何の映画ですか?っていうストーリーです。オリジナルのヤマトから完結編までをミックスしたようなストーリーに、どこかの映画やSFテレビシリーズ、アニメをパクったようなストーリーと設定、メカやキャラのデザイン。何の映画かまったく分からない。戦闘は基本的にすぐ波動砲で蹴散らしてしまうか逃げるってのはただCGを見せたいだけの映画なのか?と思ってしまう。まぁ山崎貴が監督だからな。キャラクターの設定とかも滅茶苦茶ですね……特に佐渡先生と森雪はこの設定なら要らないのでは?
そもそも宇宙戦艦ヤマトファン的には見たい土星の反射衛星砲とか、ドメル艦隊との七色星団の決戦とかもなく、やけにあっさりのイスカンダル?に到着。そのイスカンダル到着以降の展開も何これ?っていうような展開。もはやヤマトらしさは何もないです。
そういえば、主砲が1秒間に90度以上は回転するんじゃないの?っていうくらいの速さでクルクル動いてて笑った。オリジナルの大和の46センチ砲って重さが2510トンもあるらしいんだけど、宇宙戦艦ヤマトも同じサイズならそれなりの重さのはずなのに砲塔がゲームのようにグルグル回ります……どんなパワーだよ!そんなパワーで重いモノを回したら慣性で止まれないよ(苦笑)。同様に砲身もオリジナルは1門が165トンあるらしいのだが、上下に軽くピョコピョコ動いてた。
あと、船体下部の格納庫広過ぎ!ヤマトの下部はスカスカなのかというくらい広い……まぁこれくらいの長さは本来必要で、オリジナル宇宙戦艦ヤマトの設定が無茶なのだが、変なとこだけリアルにされてもね。
そういう意味で言えば、波動エンジンあたりは完全にスタートレックのノリというかパクリな感じ。
■オリジナル映画として見れば……40点
宇宙戦艦ヤマトじゃなくて、オリジナルのSF映画だとして見たとしてもこんな点数でしょう。まずストーリーとその展開の仕方が無茶過ぎる。妙に要らないシーンが長かったり、ここはもうちょうい見たいようなとこがあっさり終わったりとテンポの悪い映画。「ALWAYS三丁目の夕日」のような映画なら、こういうテンポやシーンの展開もありなんだろうけど、これSF映画でしかも宇宙戦艦モノですよ!あとエンディングの展開を考えると、ちょっと古代の艦長としての資質に疑問を持ってしまう(笑)そんな事してる時間があったのか?
■CG・SFXなど……30点
山崎貴監督といえば日本のCG映画の第一人者って事になってるらしく、この映画公開時も日本最高峰のCG(SFX)と謳ってた。でも、個人的に言ってしまえば、長編SF映画のCGとして見れば30点くらいの出来でしょう。これがゲームのムービーシーンやパチンコの動画っていうなら100点なのかもしれない。もし、これが日本の最高峰レベルのCGなのだとしたら、日本は今後この手の映画は止めた方がいい。まずヤマトのCGの出来が非常に悪い。最初はちょっと前のゲームの動画シーン?って思った。不自然な質感と重量感、スターウォーズ(Ep.1~3の方)に影響されたのかパクったとしか思えない戦闘シーン。
ガミラスなんて雰囲気はスターシップ・トゥルーパーズ?+xboxゲームのHalo?みたいな世界観(笑)。あと全般にスタートレック的なアイデアをパクリ過ぎです。
一番気になったのがヤマトの設定。仮にも2200年前後の宇宙戦艦で、この中途半端なアナログ感は何ですかね?オリジナルの宇宙戦艦ヤマトは1974年~の放送だし、松本零士の趣味というか世界観もあって、大きなメーター風を多用した計器類の設定やアナログ式のレバーの多用っていうのは分かる。
ところがこの映画、コミュニケーションを取るのがハンドマイクにスタンドマイク、果てはこんなヘッドセットです(笑)今から200年も先にこんなもの使ってないだろ(苦笑)。
計器やパネルなんかの表示関係は中途半端に現代~未来風なのに、操作系はアナログな押しボタン、ロータリースイッチ、レバー、キーボードとすごくアンバランス……その辺で売ってる部品を使い過ぎだよ。イージス艦あたりを参考にしたつもりなんだろうけど、2200年頃の設定ですからね~どうなんだか。松本零士のオリジナル感を再現するなら拍手モノですが、これじゃ「亡国のイージス」あたりと大差ないです。
一番笑えるのが第一艦橋の内部。オリジナルの宇宙戦艦ヤマトより退化してます。このケーブルいっぱいなのは何?ひど過ぎるでしょ。
という訳で、たいして見るべきものもない映画だった。