6Sep
最近のノートPCの動向を見ていると、今後タッチパネル液晶搭載機種はSurface Proに代表されるタブレット型にキーボードをドッキングするタイプが各社主流になっていき、液晶が水平に180度回転するコンバーチブル型の新機種は登場しなくなると思う。液晶が360度に開いて裏返しになるタイプもあるけど、このスタイルはタブレット時にキーボードが下側になるので使い勝手がいいとは思えない。他にも凝ったギミックで変形するタイプもあるけど、ああいう構造は長く使うには故障しやすいと思っている。
そこで買おうか悩んでいたHPのコンバーチブル型ノートPC「EliteBook Revolve 810 G2」のWindows 7モデルを在庫のあるうちに思い切って購入した。CPUはCore i3-4010U(クロック周波数1.7GHz・3MB L3キャッシュ)でメモリーは4GB、ストレージは128GBのSSDという構成。Core i5-4200U(クロック周波数1.6GHz~TB2.6GHz・3MB L3キャッシュ)のモデルもあるが、販売店の価格差が結構あったのでCore i3-4010Uのモデルに落ち着いた。ちなみにHPはコンバーチブル型の後継機は今のところ発表していない。
パッケージは相変わらず段ボールでシンプル
まずは外観などを紹介。HPの法人向けモデルの外箱は相変わらずの普通の段ボール箱。アップル製品のようにお洒落な感じはどこにもない(笑) まぁ法人向けなので設置したら箱は捨てちゃうだけなので、無駄に凝ってもあまり意味はないのだろう。ちなみに外箱のラベルには「made in china」と印刷されてる!?HPのEliteBook Revolve 820 G2の製品ページだと、「東京生産・日本サポート」と書いてあるし、最近は法人モデルはほとんど東京生産だと思ったのだが……うちのは昭島市生産じゃなくて、中国生産らしい。
パッケージには本体、ACアダプター、冊子、保証書のみとシンプル。リカバリーディスクも付属しない。たぶん、リカバリーディスクは1セットは作れるんだろうけど、すぐにWindows 10にアップグレードしてしまったのでそこは未確認。SSDにはリカバリー領域があるので、起動時に「f11」キーでいつでもWindows 7には戻れる。
本体サイズは、幅285×奥行212×厚さ22~25mmで重量は約1.4kg(バッテリー含む)。画面サイズは11.6型ワイドで表示解像度が1366×768ドットのIPS方式の液晶で、10点のマルチタッチと電磁誘導式デジタイザに対応し、筆圧対応のデジタイズペンが利用できる。
液晶前面の保護ガラスにはタッチでの指紋汚れやデジタイズペンでの操作でも安心な傷や汚れに強い「Corning Gorilla Glass 3」を採用。。液晶パネル処理はグレアで映り込みスゴイ!!HPの法人向けモデル(ProBookとEliteBook)といえばノングレア処理のパネルのイメージなので、これだけ映り込むとコンシューマーモデル?と思ってしまう。IPS液晶なのもあって視野角は上下左右とも170度以上と広く、正確に測定した訳でないがコントラストが高く色再現性はそこそこ高い。
ちなみに前モデルのEliteBoook Revolve 810 G1は、電磁誘導式デジタイザは非搭載で、液晶保護のガラスは「Corning Gorilla Glass 2」という違いがある。
質感の高いマグネシウム合金ボディーは
MILスペック対応で小型でも堅牢
液晶はコンバーチブル型なので、中央のヒンジ1つで支えるタイプで、ヒンジの強度はかなり高そう。最近のノートPCでは珍しく、液晶は最大180度まで開閉する。普通のノートなら対面のプレゼンとかで便利だが、Revolveの場合はタブレットスタイルになるので、あまり使い道はないかも。
コンバーチブル型なので、液晶を前後だけでなく時計回りに回転することができ、
180度回転し、そのままキーボード側に倒すとタブレットスタイルになる。
天板を含むボディのほとんどはマグネシウム合金製で、米軍調達基準のMILスペック(MIL-STD-810G)とHP独自の11万5000時間の耐久テストをクリアした堅牢な造り。端の方を掴んで持ってもまったく歪まない。一見アルミ合金風なのは仕上げでそうなっているだけ。
機種名は本体後部にさりげなく刻印されている。ちなみに「EliteBook」の刻印はパームレスト上にあり、「G2」の刻印はどこにもない。このため外観を見ただけでは「EliteBook Revolve 810」なのか「EliteBook Revolve 810 G2」なのか分からない。バッテリーを外して、サービスタグを確認すれば、モデル名は判別できる。
本体前面もすごくシンプルで、液晶開閉時に触れるラッチの突起以外は何もない。
主要なポート類は背面に集中。左からイーサネットポート、USB 3.0ポート、セキュリティロック・ケーブル用スロット、DisplayPort、USB 3.0 ポート(電源オフ時も給電対応)、電源アダプター端子、電源ランプ――が並ぶ。電源ランプが背面にあるって何これ?(笑) USBが背面にしかないのは、ちょっと不便な気もする。
左側面にはマグネシウム合金のフレーム部分に手前から、電源ボタン、回転ロックボタン、音量ボタン、下部の樹脂製カバーの中央から奥側に向かって右スピーカー、MicroSDカードスロット、ヘッドフォンおよびヘッドセット端子、ドッキングコネクター――が並ぶ。電源ボタンと回転ロックボタンは手前にスライドして操作タイプ(スライド後は元の位置に戻る)で、やや硬めで重い動作。電源ボタン上に電源ランプがあり、動作状態が確認できる。
右側面はコネクターやポート類はなく、中央部分に左スピーカー、その奥に排気口があるだけ。
キーボードは2段階のバックライト調光付き
キーピッチは19mmでストロークは2mm
タッチパッドは最近流行りのボタン一体型でマルチタッチによるジェスチャーにも対応。左上を素早く2回タップすると、オレンジのインジケーターが点灯してタッチパッドを無効にでき、外付けマウスなどを併用する場合の誤動作を防げる。
キーボードはアイソレーションタイプでキーピッチは19✕19mm、ストリークは約2mm。カーソルキーの上下はかなり小さく、それ以外の最下段のキーも小さめ。キータッチはそれほど良くなく、同じアイソレーションタイプのキーボードを搭載する他のEliteBookやProBook 4230s前後の世代よりストローク、タッチ感ともいま一つ。
キーボードはバックライト内蔵で暗闇での点灯時はこんな感じになる。EliteBook Revolve 810 G2は、液晶ディスプレーの下の方に周辺光センサーを搭載していて液晶の輝度は自動調整も可能だが、手動で2段階に明るさを調整できる。
最近は本機のようにM.2等のSSD用のストレージI/Fのみしか備えてない機種もあり、アクセスランプが本体に備わってない機種も増えている。確かにSSDなら不意に電源を切ってもHDDのようなデータの破損トラブルは少ないが、PCがフリーズしているのか何か処理中なのかの目安の1つにアクセスランプの点滅で判断する方法もあるので、そうしたインジケーターが無いのはちょっと不便。
底面はHPの従来機種同様に樹脂製のカバーで覆われている。堅牢性だけを考えれば、MacBookのような下面も含めた全面金属性のボディが有利だが、HPのEliteBookやProBookはバッテリー交換可能なのと、メモリーやSSD/HDDなども増設や交換がしやすいなど樹脂製のアンダーパネルにも一定のメリットはある。それに樹脂の方が衝撃吸収性があり、パーツそのものが衝撃を吸収して割れることで各部を守れるし、破損したパーツの交換コストも安い。こうした部分も法人向けモデルならでは。
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